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#57
TSUZUKU
私がこの家具業界に飛び込んだのは、2005年のことでした。
当時は右も左も分からず、「どこから何を手をつければいいのか」すら見当もつかない日々。
今のように情報が多くなく、数少ない家具の本や雑誌を買い集めては、勉強していたのを覚えています。
そんな中で出会ったのが、デンマークの巨匠、ハンス・J・ウェグナーという家具デザイナーでした。

気がつけば、私はウェグナーがデザインする椅子(主に椅子)の魅力に、すっかり取り憑かれていました。
当時のお店には、代表作である「CH24(Yチェア)」を展示していましたが、
ウェグナーの世界はそれだけにとどまりません。他にも数多くの素晴らしい椅子があり、
その中には驚くほど高額なものもたくさんありました。
中でも、デンマークの家具メーカー「PPモブラー社」が手掛ける椅子は、群を抜いて高価。
しかし、それ以上に私を強く魅了して止ないデザインだったのです。
憧れを持ち続けて、2012年。 ようやく念願だったPPモブラーの商品を仕入れることになりました。それがダイニングチェアの「PP68」です。

ウェグナーが人生の最後にデザインしたダイニングチェアということで、「ラストダイニングチェア」とも呼ばれる名作です。
当時の価格は13万円前後でしたが、今では20万円オーバー。
それでも、あの時初めてPPモブラーの商品をお店に迎えた喜びは、今でも鮮明に覚えています。
そして月日は流れ、2021年。 ついに「椅子の中の椅子」と称される最高傑作「ザ・チェア(PP501/PP503)」を仕入れます。

当時で約120万円。今では190万円近くする非常に高価な椅子ですが、
この5年間で5脚ものご注文をいただき、大切なお客様の元へお届けすることができました。
ウェグナーの椅子の中でも、最高の座り心地と名高い「PP19 ベアチェア」がお店にやってきたのです。
実際に座ってみると、まさにその名の通り、大きな熊に後ろからそっと包み込まれるような極上の座り心地。
先ほども、あまりの気持ちよさに、うたた寝をしてしまいました……。

2005年当時は200万円だったベアチェアも、今や500万円オーバーという美術品のような存在です。
それでも、この2026年だけで早くも2台のご注文をいただき、うち1台は先日無事に納品を終えたところです。

2005年、何も分からなかったあの頃に夢見たウェグナーの憧れの椅子。
21年の歳月をかけて、ようやくお店に迎えることができました。
写真や言葉だけでは決して伝わらない、この「包み込まれる座り心地」を、ぜひお店で体感してみてください。
皆様のご来店を、ベアチェアとともにお待ちしております。
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