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豊口克平が1955年にデザインした低座の名作椅子
角度やフォルムを研究した絶妙な座面のカーブが特徴の椅子で、あぐら、横座りなど、姿勢の自由度は抜群です。
日本人のための家具を追求してきた豊口氏の全ての経験が、このシンプルな一脚に詰まっています。
背もたれとアームは、最上級の座り心地が得られるよう人間工学的にデザインされ、計算し尽くされた細部に至るまでの心配りは、その座り心地に表れています。
豊口 克平
1905年秋田県鹿角市生まれ。
東京高等工芸学校卒業。1928年にバウハウスの理念に基づいたデザイン研究団体「形而工房」を結成、量産向けの家具作品を発表する。
1933~59年まで商工省工芸指導所に勤務。1959年に豊口デザイン研究室を開設。
その後、桑沢デザイン研究所、武蔵野美術大学教授、日本インダストリアルデザイナー協会理事など歴任。
1991年没。
低座の快適な暮らし
座面高37cmという寸法は、靴を脱いで暮らす日本人の生活様式と、椅子に座った人と畳に座った人の目線の差を考えて導き出されたもの。一脚の椅子で食べる、寛ぐ、作業するのを兼ねるためにも、この座面の高さがベストと考えて設定されました。
次に座面と背もたれのご注目。芯材には成型合板を使い、複雑なカーブを作り出すことで体圧分散性を高めています。角度も豊口氏の研究成果の賜物。休憩にも作業にも適応する角度に設定されています。さらに脚の長さにあわせて座面の前後位置(奥行)を変えることができるなど、座り心地を高める工夫が随所に盛り込まれています。
日本人のための椅子を生涯にわたり研究した豊口克平が、1955年にデザインした低座の名作椅子です。大きな座面と背もたれが腰から上半身を面で支えてくれるので、長時間座っても疲れにくいのが特徴です。
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